2004/11/11
セコがに
11/6、例年通り松葉がに漁が解禁されて、街はカニを茹でるニオイで包まれる。山陰地方では「松葉がに」だが北陸にいくと「越前がに」となる。どちらも同じで、成長しきったズワイ蟹のオスのこと。なぜ「松葉」なのかは諸説あるようだが、足の殻から身を出して水につけると、ぱーっと花のように開く形が松葉のようだから、と地元では言われている。市場で取り引きされる際、カニは大きさや形、身の付き具合、手足の欠損など、厳しくチェックされかなり細かくランク分けされる。最上級のモノは数万円で取引されるが、当然そんなモノは地元には出回らない。
近所の幼友達から「セコがに」をもらった。セコがにとはズワイ蟹のメスのこと。雄よりかなり小振りで可愛い。「親蟹」「子持ち蟹」地方によっては「コッペ」「こうばこ」とも呼ばれる。魅力は「内子と外子」。内子は甲羅の中にある卵巣の部分で外子は腹に抱いているプチプチした卵のこと。好みが分かれるがボクは内子派。資源を守るため捕獲期間は2ヶ月間だけ。この時期だけの貴重品。謹んで頂きまーす。
ちなみに「ズワイ蟹」と「ベニズワイ蟹」は別のモノ。似てるが獲れる量も価格も天と地。この話はまた今度、、、。
2004/11/12
威風堂々
何気に買ったDVDが「当たり」だと嬉しい。大抵は一度観てよかった映画を買うのだが「マジェスティック」は観ていなかった。タイトルに別段惹かれるものはなかったが、フランク・ダラボン監督作品というのが決め手だった。「ショーシャンクの空に」や「グリーンマイル」の監督だ。どれも素晴らしい。主演はジム・キャリー。コメディ役者のイメージが強いが、キリリとシリアスでこの役は彼以外にないと思わせるほどだ。
記憶を失った主人公が生き写しの別の人間と勘違いされるところから話は始まる。本人も周りも勘違いしたまま実家の映画館を再建することになるが、マジェスティックというのはその映画館の名前。父親役はマーチン・ランドー。古い「スパイ大作戦」ファンの人間には実に懐かしい。変装、声帯模写の達人・ローランだ。結末は言わないが、見終わって爽快感いっぱい。タイトルは単に映画館の名前ではない。
こんな我が町にも昔は映画館が3つもあったらしい。小さい頃祖父母の手を引っ張り怪獣映画をよく観に行った「大黒座」。、、、が復活!?そりゃあスゴいっ。なーんちゃって、、、。
2004/11/13
chikuwaにカンパリ
2時までやるようになって1ヶ月。店のスタンスはむしろ自然になった。連日閉店まで賑わうワケないが、自然にフェードアウトする感じがいい。2時に終わって何処かに一杯ヤリに行きたい気分だ。が、やっている店はない。
心は今まさに「都橋」を渡り「カンパリ」へ。バックバーの上から下までびっしり詰まったお酒を眺めながら、店主にワガママを言いバーニー・ケッセルをかけてもらう。店の名はカンパリだがそれしかないワケではない、、、。でも飲みたいのはカンパリ。ここのカンパリが美味い。ダブルでソーダ割り。レモンを搾ってもらえば最高だ。カンパリソーダはソーダを入れすぎぬこと。普通のタンブラーにカンパリとソーダを半々ぐらいがいい。ここでそれを学んだ。そして、カンパリはカンパリでしか飲まないと決めた、、、、?。
今日の「アテ」は差し入れでもらったチクワ。ひと口カジってはカンパリをそそぎ込む。ワサビの辛さに苦いハズのカンパリが甘い。
「カンパリ」までの距離が恨めしい、土曜の午前3時、、、。
2004/11/14
くらラジ故障
ワケのわからん横ヤリにもメゲず、愛すべきリスナーに支えられる「くらラジ」だが、突然故障。連日ノンストップの駆動でついにコンピュータが悲鳴をあげた。確かにここ数日動きはヘンではあった。思えば、数台あるパソコンの中でもスペックの低い年季モノだ。よく見たらマザーボードのコンデンサーが数個肥大している。そのあたりが原因か、、、。先日組み直したばかりのコンピュータにハードディスクを載せ替え、音楽のデータを保護。ハードディスクは健在。
くらラジのシステムは、アップルコンピュータが無料配布している「iTunes」というソフト(Window版)を使い、現在、約190時間(8日間分)のCDの圧縮データをノンストップ再生している。新しいコンピュータへのセッティングに手間取ったが、3時間程度の「無変調」で復旧した。やはり機械モノは突然壊れるんだ。
それにしても「iTunes」は素晴らしいソフトだ。このソフトの不具合は未だ無い。手持ちのCDの音楽データをとりあえずコンピュータに入れておけば、聴きたい時マウスのクリック1つで聴ける。この話を「ワケわからん」と思う方、とにかく
http://www.apple.com/jp/itunes/download/にアクセスっ!。
2004/11/15
黒い森
シュヴァルツヴァルト(Schwalz Wald)は「黒い森」という意味。ドイツ語。シュヴァルツが「黒い」ヴァルトは「森」。ドイツ南西部に実際にある森だ。ヨーロッパでは森は神秘であり恐怖の象徴。妖精もいるし魔女も魔王もみんな森にいる。
この「黒い森」は豊岡のケーキ屋さん。名前が表すようにドイツスタイル。以前の場所から移転して新装したと聞いていたが、今日初めて行ってみた。店内の喫茶スペースもグレードアップ。ボクはアッフェルトルテ、カミさんはケーゼトルテ。アッフェルはアップル、ケーゼはチーズ。ケーキはドイツ語でクーヘン、トルテとも言う。甘さを抑えたタルトスタイル(焼いた生地をベースにしたケーキ)が絶品。
タルトと言えば愛媛の「タルト」は、あんこのロールケーキ。松山の後輩に「一六タルト」を最初にもらった時、ド肝を抜かれた。何でタルトというのかは不明。タルト→焼いた西洋菓子に果物を使った菓子をあしらう→カステラにゆず風味の餡を巻く、となったのかもね。この、無理ムリの和洋折衷は強烈。
2004/11/16
amazon.co.jp
ラブストーリーの名作は数々あるが、1つだけ選べと言われたらボクは迷うことなく「小さな恋のメロディ」を挙げるだろう。ついにDVD化され発売される。「される」と書いたのは発売日が11/17だからだ。しかし既に本日届いた。
映画のストーリーは今更語る必要もないが、1971年の作品だから30数年前。日本語吹き替えに、初めてTV放映された時のものを使用しているが、メロディ役を若かりし杉田かおるがやっている事をみても隔世の感がある。しかし何度観ても新鮮な感動を呼ぶところが名作たる所以。監督始め製作スタッフはすべて20代というのもいい。音楽はビージーズ、CSN&Y(クロスピー、スティルス、ナッシュ&ヤング)というのも最高で、「メロディフェア」「若葉の頃」「ティーチ・ユア・チルドレン」どれも名曲ばかり。
しかし、定価3990円のものが送料タダで3192円。それで発売日前日に届けられたんじゃ、みんな店に買いに行かないワケだよな。恐るべし「アマゾン.co.jp」
2004/11/17
チーズを用意して
いよいよ今年もボジョレーヌーヴォー解禁日がやって来る。昨年は死人もたくさん出る程夏は酷暑。でも葡萄にとっては最高の天候で、ヌーヴォーもスゴい出来と騒がれた。さて、今年の出来や如何に、、、。初心者の皆様のためにすこし正しい知識を整理。フランスは食に関する法律が厳しく、その年に収穫された葡萄の新酒の解禁日を毎年11月の第3木曜日と定めている。時差の関係で早くに日付の替わる国へは特別に一日早い出荷が許され、一番先に日が替わる日本はどこよりも先に新酒を味わえる、という寸法だ。だから毎年酒販業界が盛り上げてくれちゃう。
ヌーヴォーに合いそうなチーズを用意。写真左は「モンブリアック」牛乳の青カビチーズ。表面に灰がまぶしてあり乳脂が高めでまったりとしていて、フルーティーでさっぱり味のヌーヴォーに合いそうだ。もう一つは「クロタン・ド・シャヴィニョル」4種。山羊乳で4段階の熟成度合いを楽しめる。山羊は牛乳と違いさわやかな酸味が最高。熟成が進んだモノから試してみたい。
2004/11/18
ヌーヴォー到着
解禁日に届くはずのヌーヴォーは開店時間になっても届かない。「Wine ga Umai」と看板を掲げているからにはそこらのスーパーで売ってるのと同じヌーヴォーを出すワケにはいかない。昨年2社のヌーヴォーを入れたが、全くと言っていい程味が違って驚いた。一口にヌーヴォーと言っても作り手によってかなり違いがあるらしい。今年は「シャトー・デ・マラドレ」のヴィラージュヌーヴォーを12本発注した。いつも利用する通販ワインショップのリストの中で、一番データが細かく記述してあったのがこのワインだった。ブドウ畑の広さ、土壌、樹齢、醸造方法、熟成方法、生産量、等々。ボジョレー地区の中央部「サンジュリアン村」にある18haのシャトーで、ヌーヴォーに10haを使用。樹齢30〜50年の古木が中心で、収穫した葡萄は実を潰さず房ごと低温で醸造される。その後の熟成は短期間しかないので通常タンク熟成だが、オーク樽でも熟成させるらしい、、、。ここまで能書きをタレられたら注文しないワケにいかない。
待ちに待った宅急便のトラックが到着したのは8時前。飛行機に乗って、さらに田舎によくぞ来た、という感じ。
2004/11/19
記憶
「今年のヌーヴォーどうですか?」「ヌーヴォーって薄くて美味しくない」「去年の方が美味しい」「いやいや今年のもなかなか、、、」昨日は様々なトークが交わされたことと思う。
当店でも昨夜は入荷した半分が出た。ヌーヴォーは夏から秋に収穫された今年の葡萄を2ヶ月程度の熟成で出荷されるものだから「薄い」とか「軽い」と言われても仕方ない。コルクを抜いてすぐジャーっとグラスに注いで飲んで即座に判断するのではなく、まず少しだけグラスに注いで、色を見て、色の深さを見て、ニオイを嗅いでみて、グラスの中でワインを回して空気を含ませてみて、一口すするように口に含んでみる、、と教科書通りの手順を踏んでみよう。大切なのはココから。カッコだけではなく、この1つ1つのステップごとの印象をしっかり「記憶」しておくこと。来年、再来年、その次、、と「記憶」というモノサシを使って判断することが出来れば楽しい。記憶が難しければ「記録」でも結構。
ヌーヴォーは元々安い物。フランスじゃ店頭で投げ売り状態。しかし日本では結構なお値段。価格の半分は航空料金、という常識も含めてワインを楽しむ「きっかけ」になれば、、、。
グラスに注いでしばらく置くと「ぱーっ」とジャムのような葡萄の甘みが広がった。例のチーズにもズバリ。
2004/11/20
禁断症状
最近、無性にオーケストラが聴きたい。生のオーケストラを最後に聴いたのが昨年5月。ハネムーンのマネごと横浜旅行の際、カミさんとサントリーホールに行った。旅行期間中にオーケストラの公演があれば何でもよかった。既に1年半、、、。既に禁断症状、、、。
サイモン・ラトルという指揮者。一見パンクロッカーのような風貌だが今注目の人。彼は長らくイギリスのバーミンガム市交響楽団の指揮者だったが、この度天下のベルリンフィルの芸術監督に就任した。バーミンガム市交響楽団なんていう聞いたことも無いマイナーなオーケストラを世界レベルに引き上げた才人。ついに表舞台に出てきた。このDVDはベルリンで昨年行われた監督就任披露コンサートのもの。曲はボクの大好きなマーラーの交響曲第5番。この秋このコンビが同じ演目を引っさげ来日。聴きてぇ〜っ。
思えばこの秋、来日するオーケストラはスゴすぎる。ボクが尊敬してやまないロリン・マゼールがニューヨークフィルを率いて来日、同じくマーラーの5番をやった。オランダのコンセルトヘボウ、ウィーンフィルにウィーン交響楽団、チェコフィル、、、。まさにドッカンドッカン、だ、、、。殆ど東京。せめて大阪にでも寄ってくれっちゅー話だよ、ったくぅ。


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