2005/ 1/20
積雪
寒い日は続いていたが、ついに朝起きたら「おお、白いゼ」となった。しかしまだまだ「本番」には遠い。我が町には今年まだドカ雪は来ていない。以前に「色のない街」と評したが、これからこの日記に何度雪景色が登場するだろうか、、、。
今週は店も静か、準備の時間も短時間で済む。こういうのんびりした午後も珍しい。久しぶりに「佐平治の蔵」のホームページをリニューアル&メンテナンス。こまごました雑用を一気に済ました。窓の外に吹雪を眺めて「くらラジ」から流れるハワード・ジョーンズ聴きながら「コイツ、今何やってんだろ?」なーんて、ゴロゴロ、、、。ついでに「そうそう」、、、クルマでいつも聴く「KAN」のラップ調の歌詞「何て言ってるのかな?」と気になっていた個所を歌詞カードできっちりチェック、、、「なるほどね、、、」(笑) こういうたわいない時間、いいねぇ。
ここで、雪を見ながら一杯、、、んちゃって。そこまでヤルと仕事したくなくなる。そこまでは自分を緩められぬ午後3時半、、、。
2005/ 1/21
1983 ポートエレン
「ポートエレン」。シングルモルトファンの憧れの1つ。
シングルモルトとはスコッチウィスキーの原酒で、大麦麦芽だけを原料として1つの蒸留所だけで作った物で、他の蒸留所で作った物を一滴も混ぜないもののことを言う。「バランタイン」とか「オールドパー」は「ブレンディドスコッチ」で数種類のモルトとグレーンウィスキーをブレンドした物だ。イギリスの北部、スコットランドの島や半島には約100個所の蒸留所が点在する。気候や歴史、伝統により味や香りがそれぞれ違い面白い。その中の「アイラ島」で作られるいわゆる「アイラモルト」は独特のヨード臭がたまらない。正露丸のようなというか、保健室のニオイ。好き嫌いが分かれるが、ボクは大好きだ。アイラ島には8つの蒸留所があるが、現在稼働しているのは7つ。あと1つが1983年に閉鎖された蒸留所「ポートエレン」。今回、閉鎖された1983年に作られた最後の酒を手に入れることが出来た。昨年の10月にひと樽から667本ボトリングされた内の1本。加水せず、樽出しのままのカスクストレングス。度数は56.1°。淡い琥珀色、強烈なパワーと深いヨード臭にノックアウト。最高〜っ。
2005/ 1/22
ホームページ
ホームページのリニューアル、ひとまず完了。
既にご覧頂いた方も多いと思うが、インデックスページを新調。店の雰囲気を少しでも伝えたい、と、どんどんハマって改良に改良、、、。一度もウチにおいでになったことの無いお客様に、店の「空気」みたいなものを感じてもらいたい。インターネット社会の今、ホームページはお店や会社の顔。ちんけな田舎バーでも、顔ぐらいは整えておきたいもんだ。
果たして、このページを偶然にも発見して、地図を頼りに来て頂けるお客様がいらっしゃるのだろうか、と主人としてはそういう奇跡に近い宣伝効果にも「密かに」期待、、、(笑)。
昨年この町に引っ越して来られた方が、近くに飲み屋がないかとネットで検索、、、ウチのページに行き当たり、来店。「こんなに近くにあったとは、、、」とびっくり。こんな事実もあるもんだからタマらない。恐るべし、ホームページ。
2005/ 1/23
春の便り
婚礼の招待状が届いた。嬉しい。
昨年は婚礼のために2度も横浜に行ったが、今回は地元のカップル。こっちに帰ってきて初だ。それもお店を始めてから知り合った「お客さん」だから嬉しさ倍増だ。ボク自身、こっちに戻って「初めて」結婚した身なので、新婚仲間が増える(?)のも楽しい、って、おいおい歳がちがうだろーって、、、(残念!)
会場はボクたちの時と同じ城崎のホテル。こんな田舎町では会場の数は限られていて選択肢は少ないが、あそこはお料理が楽しみだ。あの時、お肉にフォアグラを載せ忘れた料理長とは、歳も近くてウマが合いせっかく親しくなったのに、彼が既にいないのはとても残念だけど、、、。
春一番、にはまだ早いが、便りは颯爽と春の香りを添えてイチバンに届きましたよ。おめでとう。いやいや、実にめでタイ。
花嫁花婿のお支度をウチのカミさんの美容室がさせて頂くようで、夫婦共々心よりお祝い申し上げます、って、ボクは食べて飲むだけだけど、、、(笑)。
2005/ 1/24
Stereo Sound
「ステレオサウンド」は高級オーディオを紹介する伝統ある季刊誌だ。以前から年に一度「冬号」だけは欠かさず買うようにしている。その年に発売されたオーディオ機器の中で特に優れた製品に与えられる賞の発表があるからだ。過去の「冬号」の数々を読み返すと、高級オーディオの醍醐味が見えて来る。興味のない方には信じられないような世界。家庭用オーディオなのに、スピーカーが500万円で、アンプが800万でCDプレーヤーが300万円だったりする物がずらりと並んで評論されている。ただの贅沢、道楽とたいていはハナで笑われて、呆れられる。電源のコードだけで?十万もする物が「音の拡がりが乏しい」とか「みずみずしい響き」とか「躍動感不足」とかマジメに評価され、ある時は切り捨てられる、そんな世界についていける人はそりゃあ少ないよね。
今回のグランプリはイタリアのスピーカーと国産のCDプレーヤー。ちなみにお値段はスピーカーが500万、CDプレーヤーが440万円也。そういう製品は当然の事ながら大量生産に無縁で、数人の職人が手作り。家電製品というより手工芸術品。でも、外国製品中心のこの世界にあって、この不景気の最中、国内メーカーが400万もするCDプレーヤーを作っていることは賞賛に値する。
オーディオはある意味「芸術」なのです。
2005/ 1/25
オーディオ
高級オーディオは所詮憧れで、つぎ込むお金が膨大にあるワケもない。ただ、例えば500万円のスピーカーを買ったとしても、それを鳴らす部屋が必要で、ちんけな六畳間がせっかくのシステムを引き立てるワケもない。取り囲むそれなりの環境の整備が肝要で、一点豪華主義は無意味である。そう考えれば、今ある自分の環境にあったシステムをチョイスすればいいのであって、小さいながらも満足のいくサウンドを得ることが大切だ。
店を作るときに、可能な範囲でオーディオに費用をつぎ込みたかった。ある意味、空間をゼロから作るワケだから、日頃からの望みを少しでも盛り込みたい。スピーカーはイギリスのKEF社Reference Model 203。KEFはボク好みぴったりの音。コストパフォーマンスが非常に高い素晴らしいスピーカーだ。プリアンプはマッキントッシュC42。マッキンは以前からの憧れ。無着色な自然な透明感が「さすがっ」と満足している。真空管のパワーアンプは自作。高級機に迫るためには、自作するのが一番。国内の一流ブランド「UESUGI」の回路だが、原価を考えれば、手工芸術品的UESUGIアンプが同じ内容で100万円を超えるのが理解できる。職人ワザの工賃とメーカーの儲け分を自作でまかなう、というワケだ。高級な部品も自分で買えば数千円だが、メーカー品に組み込まれるとそれだけで当然数万円のアップとなる。
苦肉の「擬似」高級オーディオ。現状はとても満足しているこのシステムだ。
2005/ 1/26
出石「甚兵衛」
出石町の蕎麦処「甚兵衛」。ここの蕎麦は最高だ。ひょんなことからここの若旦那と親しくなった。こんな有名店の方と知り合いになること自体、ミーハー的大感激だ。蕎麦の美味さはもう皆さんよくご存じで説明は要らないだろうし、知らない人は一日でも早く食べに行くべし、だ。
昨夜は遠路をご夫婦で出かけて来てくれた。結婚12周年、親父ではあるが「オヤジ」ではない。この若旦那はタダモノではない。どうタダモノではないかは「甚兵衛」のホームページに毎日更新される彼の日記をご覧になれば解る。拙の「KuraKura日記」はまぎれもなく彼の日記に憧れて始めたものだし、もともとの出会いがネット経由なので、コミュニケーションは普通の友人以上に「密」なのかも知れない。しかし、より近くに居て、「生」でも付き合いたい、実に魅力溢れる若旦那である。
この写真は昨年夏に横浜から遥々来た友人たちと伺い、皿そばを鬼のように平らげた時のもの。先日、スウェーデンからの客人の際は生憎「お休み」で、他の店に浮気したら「☆□◎て」ガッカリ、、、。(斬り!)
甚兵衛「明月記」へ
2005/ 1/27
ルネッサンス
ウチのような田舎町の一番ダメなところは「カゲグチ」が多いところだ。だいたい陰口、うわさ話は「百害あって一利なし」。男尊女卑をするつもりはないが、井戸端会議はいずこも同じで女性の「聖域」だが、ココでは男も同じ。男の井戸端会議ほど情けないものはない。
「意見は明るいところで言う」「言いたいことは本人に言う」「言えないのならカゲでも言わない」こういう人間としてのマナーやルールの侵害が、どんどん町をつまらなくしていき、醜悪な空気を作っていく。何故ルールを守れないのか、、、。たいていの人がこう言う「昔から知っているし、今さら言えない」「自分一人だけ言って、目立ちたくない」、、、ごもっとも。しかし、カゲで言ってりゃ同じでっせ、おっちゃん。意見を述べたら「変わり者」で「目立ちたがり」。反対したら「異端者」で「キョーサン党」。だからじっと黙って、選挙になったら「親戚」に入れ「ジミン党」に入れ、、、。
今になって今回の3町合併に異論を口にする人が多いがもう「遅いっ」。写真は香住海岸の「ルネッサンス計画」地。確実にこれは都会の誰かが絵を描いた「人工公園」で香住の浜でもルネッサンスでも何でもない。ムダな公共事業そのもの。しかし「何じゃココは、、」と嘆いてももう「遅いっ」。
ホントの「ルネッサンス」が必要なのは我々でっせ。
2005/ 1/28
油絵
佐平治の蔵の壁にある絵の数々は、それぞれにいろいろ思い出もあり、お気に入りのものばかりだが、この絵に関してはちょっと違う。それは作者が自分だからだ。描いたのは中学3年の時。タイトルは「さすらう若人の歌」。これはマーラーの歌曲のタイトルでもあり、その印象を表したつもり(笑)。小学校6年の時、当時この町に戻られたばかりの画家に絵を習いに行った。最初は水彩を描いていたが、すぐ油絵に移行した。いまでも小中学生は学校で水彩画を習うが、実は水彩の方が難しいと思う。水彩は、絵の具を水に溶く度合いと紙にそれがしみこむ度合いのコントロールが生命であり、先生はそこらを教え切れていない。油絵は、上塗りもOKだし、時間をかけてじっくり仕上げることもできる。何でもアリなので、見かけより取っつき易いし断然面白い。
その画家の先生はやがてまた香住を離れられてしまったので、あとは我流で続けていくしかなかった。我流第一作がこの絵だ。こうやって額に入れて飾れば「それなりに」見えるもんだね。何でもそれなりに見えるところがウチの店のいいところ(笑)。
2005/ 1/29
よっ、レニーっ!
レナード・バーンスタイン(1918〜1990)。アメリカが生んだ偉大な指揮者であり作曲家、ピアニスト。「ウエストサイド物語」の作曲をした人と言えば一番わかりやすい。クラシックファンなら彼の指揮者としての偉大さは語るに及ばない。長くニューヨークフィルの指揮者を務め、残した名演の数は計り知れない。アメリカ人ならではジャズのエッセンスも持ち合わせ、彼の作品にはジャスの味わいもある。それがヨーロッパの楽壇に煙たがられていたが、後年はウィーンフィルを筆頭に歴史的名演を数々生み出した。彼の魅力はほとばしる才能に加えて、男前で弁舌爽やかなところ。時として飛びはねたりするお茶目な指揮ぶりもチャーミングで観るもの聴くものをたちまち虜にしていまう。彼がニューヨークフィルと共に、子供たちを対象に行っていた「ヤングピープルズコンサート」の存在は知っていたが、その映像にようやく触れることが出来た。1958年から70年までに行われたテレビ放送分25本がスカパーのクラシック専用チャンネルで放送されている。時にはピアノを弾きながら、時にはオーケストラを細かく分奏させて、彼が語り、クラシックの名曲や作曲家を紹介する。時折映される会場の子供たちの目は皆キラキラしている。これをマネたのが日本の「オーケストラがやって来た」だったが、とっくに終わり、それを継ぐ番組も今は無い。


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