2005/ 6/25
バルサミコ酢
「バルサミコ酢」という名前は、ここ十数年のイタメシブームで一気にポピュラーになり、今では何でもカンでも「バルサミコ風味」オンパレード。バルサミコ酢は、ブドウの絞り汁を煮詰めた物を、樽で熟成し醗酵させた酢で、樫、栗、桑など、いろいろな材質の樽に一年ごとに移し替えて、数年かけて複雑な味わいを引き出すとても手のかかった物。例によって、イタリアのモデナとレッジョエミリアでのみ作られ、規定に適った物のみが「バルサミコ」と名乗れるとのこと。スーパーでよく見かけるのが、この写真のおじさんの絵が付いた物。かつては貴族階級の間でのみ使われていた高級食材で「公爵の酢」と呼ばれていたシロモノだけに、モデナの実在した公爵のおじさんらしいっス。熟成年数がスゴいものは、目が飛び出るくらい高価ですが、このおじさんボトルはお手頃価格で○。料理やドレッシングにも一滴二滴で健康的にも○。ヨーグルトやアイスクリームにも合います。
夏らしい新パスタメニュー「夏野菜のペペロンチーノ」登場。バルサミコが隠し味の、さっぱりしていて、しかしビビビと辛い一品。ぜひっ!
2005/ 6/26
Natifへの道 23
新生ナティフへの道は、いよいよ大詰めに入った。内装は、塗装と仕上げの木工事を残すのみで、今週末の完成にむけて待ったなしのスケジュール。残すところの山場は外構工事。
店のエントランスとなるのは南面。お客様には少し小径を入ってもらい、左手に店の玄関がある、というイメージ。こちら面は、役場の南庁舎が隣接していて、土地の境界線を中心として側溝を入れる取り決めになっているため、U字溝での施工が始まった。側溝の内側、建物との間に木製の塀を立てる計画もあったが、何しろこの幅だし、かなり狭い空間しか確保できず雰囲気が出ないと判断。このようにオープンな感じの見せ方で落ち着いた。まあ、役場の皆さんと上手くこの通路を共有して、「雰囲気のある小綺麗な小径」となれば最高だ。
何はなくとも、お隣さんとは上手く付き合わなきゃね(笑)。
2005/ 6/27
3つの川
ラム酒と言えば、さとうきびを原材料にした蒸留酒で、南米のカリブ海のイメージ。カリブ海に浮かぶのハイチ島とかマルティニク島では、上質のラム酒が作られラム酒マニアのみならず、おすすめしたい。
「トロワ・リヴィエール」というマルティニク島のラム。佐平治の蔵には1977年物の長期熟成の極上品があり、ことあるごとに皆さんにおすすめして、ついに完売した。実はこの蒸留所は2000年に火災が起き、長年かけて熟成した原酒を殆ど焼失してしまった。既にこの1977の物やその年代に近い物も入手が困難になっている。探しに探して、この度「1996年物」を入手した。火事で焼け残った僅かな物を今年瓶詰めしたものらしい。1977物の、深くて複雑で、独得の芳醇さには「少し」及ばないが、納得のいく物となっている。
トロワ・リヴィエールとは3つの川というフランス語。フランス語は仏領マルティニク島なればこそ。家族経営の小さい蒸留所らしいが、自社のさとうきび畑に川が3本も流れているとは、かなりの敷地だと思う。火災後に作った「4年物」が出回り始めているが、歴史はまたここから始まる。がんばれ、川の字っ。
ちなみに世界最高級「JMラム」もこの島の品。
2005/ 6/28
アブサンの話
掲示板にアブサンの情報を寄せて頂いたので、アブサンの話。
数年前「南仏プロバンスの12ヶ月」という本がベストセラーになったことがあったが、その中に頻繁に登場する「パスティス」がブームになった。パスティスとは、アニスを中心とした数々のハーブが入ったリキュール。アニス・・・中華料理なんかに使う強烈なニオイの「八角」を、別名スターアニスと呼ぶがニオイが似ている別の物。とにかくその八角フレーバーが強く、香りはキツいが飲むとほんのり甘くて、ハマる人はハマる。こう暑くてぐったりしている時によさそうだ。有名なブランド「ペルノ」「リカール」が容易に手に入る。もともと「パスティス」とは「ニセモノ」「代用品」の意味。じゃあ、何の代用品かというと「アブサン」。何故「代用品」かというと、アブサン(正式にはアブサント)の主原料ニガヨモギの成分「ツヨン」の、幻覚作用をもたらす毒性が問題となり、20世紀初頭に発売禁止になったため、アブサンの「代用品」というカテゴリーが出来たというワケだ。味を似せた「代用品」が必要なほど「アブサン」の人気は高かったということ。まあ、アブサン中毒で身を滅ぼした芸術家も多く、19世紀末、デカダンスなアーティスト達の創造力を支えた「麻薬酒」だったことは間違いない。白は淡い緑、しかし水や氷を入れると白濁する。「緑の妖精」と呼ばれた魔酒は、百年の歳月を経て、毒性を押さえた製法で復活。日本でも輸入解禁となった。ぜひ「アブサニスト」の仲間入りを、、、。
2005/ 6/29
Natifへの道 24
梅雨入りしてほぼ1ヶ月近くも雨が降らない方が驚きだが、お陰様で土壁を塗ったり、モルタルを塗ったりといった施工に全く支障が無かったのが奇跡だった。完成を前に、それまでのツケを払うかのように、空が破れたかの如く、突然明け方から半日豪雨に見舞われた。油断しきっていた現場は朝から大わらわで、外部の工事はすべてストップし、内部の塗装や電気工事だけが粛々と進んだ。内部の施工は明日完了の予定で、残すは外周り。
新生「Natif」オープンは7月20日と決定。
新しい機材の試運転、それに対応する人間の試運転も必要だ。佐平治の蔵など押せ押せで、完成したのが開店前日だったが、今回は直前まで現店舗で営業出来るワケだから、新店舗と言えど、きっと最初から完成度の高いパフォーマンスやサービス、空間を提供できることだろう。
さあ、いよいよ緊張感は、施工する側から運営する側に移り始めた。
2005/ 6/30
Natifへの道 25
大雨は昨日で終わり、すっかり晴れた今日は、店舗内部に朝から「洗い屋」さんが入って、工事で汚れた窓ガラスや床など、隅々の清掃が始まった。外周りはレンガタイルの目地の施工。
今回のデザインの重要なポイントがこの「目地入れ」。写真は既に施工が終わった状態だが、普通は一段沈んだ状態にするレンガの目地を、逆に思いっきり盛り上げる「出目地」工法。目地専門の「目地職人」さんは、ちょっと柔らかめに練った目地コンクリートを、ケーキのデコレーションに使うような絞り袋に入れて、ムニューっとタイルの隙間に「デコレーション」していく。見ていると楽しそうだし、目地ゴテで綺麗に押さえつける、という作業が無い分、作業が速い。所々、自然な感じに掻き落とす作業にはボクも参加して、半日で見事に「出目地」完成。
間近で見ると、何じゃこりゃって感じだが、日光の当たる角度やその強さによって、とにかく様々な表情を見せるのには驚いた。その表情の変化がとても面白い。季節や時間帯の移り変わりによって、変幻自在に表れる微妙な「主張」が実に楽しみだ。
2005/ 7/ 1
梅雨モード
7月になった途端、思い出したかのように梅雨モード全開で、雨が降ったりやんだりの不安定な天候、、、。満足な雨も降らずにすんなり夏がやって来るワケないよね。雨も降らなきゃ困る人はいっぱい居るが、降りすぎて困ることも多い近年では「平年並み」だのというデータは既にズタズタボロボロで当てにならずで、予測はつかない。今年もまた予測のつかぬ夏は目の前だ。
明日は何と「臨時休業」。明日は特に予約の問い合わせをたくさん頂いておきながら申し訳ない。先月ならヒマヒマな日々だったのに、、、(笑)。世の中上手く運ばないものだね、、、(涙)。
明日は、午前中、5月末で佐平治の蔵を寿退職した「尚チャン」の結婚式。既に彼女のお腹には5ヶ月の2世が、、、。夜は同級会の一泊旅行。と言っても湯村温泉・いづつや、、、。
大変申し訳ありませんが、佐平治の蔵は臨時休業致します。悪しからず、、、、。
2005/ 7/ 2
おめでとう!尚ちゃん。
お伝えした通り、佐平治の蔵で2年近くがんばってくれた尚ちゃんが結婚。神鍋高原のホテルで行われた結婚式にみんなで参加した。
チャペルでの式の後、外に出て高らかに鐘を鳴らし、風船も飛ばして世界に向かって愛を叫び、そしてクライマックスはフラワーシャワー、、、。アッという間のセレモニーだったが、新カップルの門出は何度立ち会っても、厳かで、爽やかで、感動的で素晴らしい。11月には早々とジュニアが誕生するのもお伝えした通り。
妻になり、母になりと、一気にステージを何段階も駆け上がることになりそうだが、しっかり者の尚ちゃんだもの、全然OKだ。
お幸せにっ!!
2005/ 7/ 3
そば打ち in てっぺん
湯村温泉・井づつやに泊まり、同級会の一泊旅行の2日目は、春来「てっぺん」でそば打ち体験。そばを打つのは初めてだ。
地元産そば粉の十割そば。5人ずつ3チームに別れて、粉500gを250ccの水でこねる。こねてこねて、伸ばして伸ばして、、、、最後は厚さ2、3ミリまで伸ばして切るまで小一時間の工程だが、予想したよりかなりの重労働で、汗だくだく。昨夜しこたま飲んだアルコール分が一気に吹き出た感じ。
3チームそれぞれのソバは、それぞれのチームへ茹でられて出て来た。う〜ん、なかなかのものだ。よく見ると細いのやら太いのやらいろいろだが、プロの物と大差はない(笑)。
しっかりした歯応えは、きっと、十割そばだから、、、いやいやそれだけではない。4?歳の重みと深みがじんわ〜りと作用しているからに違いない(笑)。
2005/ 7/ 4
プチリニューアル
佐平治の蔵の扉を開けると、まず目に飛び込むのが「行燈」風のスタンドライトだろう。高さ約1m、和紙を張ったもので、実は横浜の独り暮らし時代に買って、横浜の部屋にはついに飾られることなく眠っていたものだった。こっちに持って帰って、この店でついに陽の目を見、開店以来、店の顔として活躍してくれていた。
しかし、である。
「みー」の出現により、その生命を脅かされた。ヒマな時、店内を縦横無尽に走り回っては、ついにこのスタンドに目をつけ「バリバリっっ!」。最初のうちは方向を変えて、破られた傷跡を隠していたが、目を離したスキに、ついにすべての面を引っかかれてしまった。ニューフェイスの照明器具は「和」より少し「洋」にシフトしたデザイン。2年半にわたって「蔵」の雰囲気作りを助けてくれた先代スタンドは、昨日で引退。お疲れさま、そして、ありがとう。
依然「みー」の行方には要注意。


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他のブラウザですと上手くご覧頂けないことがあります。悪しからず、、、。

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