2006/ 2/20
「生協の白石さん」
話題のベストセラー「生協の白石さん」を読んだ。東京農工大の大学生協に設置されている利用者の声を投書する「ひとことカードBOX」に寄せられた様々な「声」に、生協職員の回答担当者「白石さん」が丁寧に「返事」を書いて掲示板に貼り付ける、、、そんな何気ない大学の一風景、、、しかし、ただの一風景と呼ぶには「余りある」その問答の数々、、、。ぜひとも(買わなくてもよいので・笑)実際に書店で手にとって笑ったり癒されてもらいたい。商品の問い合わせやリクエストの域を超え、人生相談や面白がった冷やかしの投書まで、きっちり白石さん一流の「丁寧さ」と「まじめさ」相手をキズつけない配慮に満ちた「シャレ」で答えるスタンスは「粋」と呼ぶ以外ない。
一つだけ紹介、、、。

■意見・要望「あなたを下さい。白石さん」
■生協からのお答え『私の家族にもこの話をしてみたのですが「まだ譲ることはできない」との事でした。言葉の端々に一抹の不安は感じさせるものの、まずは売られずにほっと胸をなで下ろした次第です。ということで諸事情ご理解の上、どうぞご容赦下さい。』(担当・白石)

彼の爪のアカを、どこかの町の町長さんにも煎じて飲ませたいもんだ。飲んだところでキカないだろうけど、、、。
2006/ 2/21
まんちゃー
「まんちゃー」とは、我が地区の方言では「調子もん」という意味である。「何をまんちゃーげなことヌカしとるだぁ」は「何を調子コイてモノを言っているのか」となる。ある人に言わせれば、我が「佐平治の蔵」は「まんちゃーげな店」であり「まんちゃーが行く店」ということになる。まんちゃーな店長だから仕方がないと言えば仕方ない。
先日、マクドナルドの前を通ったら「マンチャー」と書いてあり、思わず立ち止まって買ってしまった。トリノオリンピックに乗じたイタリアンなメニューなのか、チーズをマッシュポテトで包んであげたモノらしい。イタリアン風なのに、マンチャーと言う名は英語の「munch」からの命名で、「ムシャムシャ食う」という意味だとか、、、。まあ、マンチャーと聞いてすぐに飛びつくのが、まんちゃーのマンチャーたるところである。190円也。
2006/ 2/22
牛、うし、ウシ
旧村岡町丸味には但馬牛を多頭飼育する畜産農家が多い。中でも森脇農場は多頭飼育の先駆者。先日紹介した「但馬強力」の稲作を担当されたのがここの親父さんと知り、俄然興味が湧いていた。A新聞のFさんの紹介で牧場を見せてもらいに行った。牛をやっているのは息子さん夫婦。幻の米を棚田で作った親父さんが笑顔で出迎えてくれた。バイタリティ溢れる愉快な人。牛舎を見せてもらったが、この写真はあくまで一部分。とにかく牛また牛、、、。ざっと見渡して5、60頭は居ただろうか、それも全部「但馬牛」。「お前ら、いつかは人間に食われちゃうんだなぁ、、、」と複雑な気分。仕切られたエリアの上の部分にチョークで何か書いてあるのが見えると思うが、これが彼女らの名前。ひらがなで書かれたのが本人?の名前で、その隣に漢字で書かれたのが種牛の名前。牝はひらがな牡は漢字、というワケだ。競走馬もそうだが、やはり「種」が命。但馬牛の「種」は天下一品。米沢も松阪も飛騨も「種」はすべて「但馬牛」。金の卵「子牛」たちにもご対面。一度にこんなに牛を見たのは生まれて初めて。「しっかり太れよ」って変な激励をする肥えた人間の腹はきっと霜降りか、、、。
2006/ 2/23
トゥーランドット姫
日付は替わったが、、、。
おめでとう金メダル。不振不振と言われ、メダルが獲れなきゃ「何やってんだ」と勝手なことばっか言って、テレビの前で怠惰極まりない我々を黙らせたのはやはりこの人だった。世界の強豪の中にあっても、独特の気品とスケールの大きさを感じさせる風格は、日本人として誇らしく思うほど圧倒的だった。銀盤に現れただけで漂うこの空気は何なのか。ポイントを稼ぐための大技をつなぎあわせるのではなく、スケート本来の美しさを改めて再認識させてくれた名演だった。実況アナウンサーが、観客の採点がそのまま本当の採点に重なった、と伝えたがその通り。我々は一人の例外もなく比類ない美しさに酔いしれた。使われた音楽はプッチーニのオペラ「トゥーランドット」の曲。中国皇帝の一人娘・トゥーランドット姫は絶世の美女だが、自分が与える3つの謎が解けた者だけと結婚するとし、解けない者は処刑するというとんでもないお方の物語。まるでその主人公さながらの高ビーなオーラで、プレッシャーを抹殺した感じ。アメリカに単身渡って名コーチの門を叩き、そこでの特訓の模様をテレビで見たことがある。「大きく大きく、音楽を感じて、空気を感じて!」と怒鳴られていたのが印象的だった。音楽を感じて会場の空気を独り占めし、スケールの大きな「トゥーランドット姫」に成り切った。よかった。感動した。
2006/ 2/24
燦々
日本中「金メダル」の余韻さめやらぬ感じ。この裏日本にも、今日は「金メダル」のような目映いばかりの太陽が燦々と輝いた。
この冬はいきなりの大雪に驚かされたが、今年に入ってからは肩すかし状態。しかしまだ2月。油断は出来ないが、このまま金メダル陽気にのって春が来ればラッキーだよね。
オリンピックの映像を見すぎて、十分冬を堪能した気充分。今シーズンの雪山にはついに出かけないで終わりそうだ。
既に気持ちは次の季節に向いている。
2006/ 2/25
プロの技
オリンピックはアマチュアスポーツの祭典ではあるが、メダルを獲るとなると、プロもアマも関係ない次元の高いところの争い。練習は裏切らない、と言うが、練習で出来ないことが本番で出来るワケはない、とつくづく思った。金メダリスト荒川選手の本番の演技は、丹念に一つ一つ積み重ねあげられた強固な石積み建築を思わせた。たまたま成功した、という危うさなど微塵もないプロ意識を感じた。金メダル候補、スルツカヤ嬢が「たまたま失敗した」ように見えたが、それは「たまたま」だろうか。血のにじむような練習はけっして裏切らないが、勝利の女神にそっぽを向かれるファクターは別に存在する。テレビのドキュメントで、フリー演技の前の公式練習で、荒川選手を執拗に意識するスルツカヤの映像が印象的だった。百戦錬磨の女王は何を思ったのだろうか。得点にもならない技をマイペースで丹念に練習する荒川選手に自分に無い「何か」を感じたのか。そして、この人こそが最大の「敵」と見抜いたのか。その時点で「敵は自分」とする荒川選手と「他人を敵」としたスルツカヤに、トリノの女神の心証を悪くする決定的な差が生じたのか。スルツカヤの最終演技が始まって「あれっ?」と思ったのはボクだけではあるまい。彼女にしては珍しく淡泊なスケーティングは、上手さはあっても観客の心に響かない。ジャンプの着氷失敗を見るまでもなく「No.1」ではなかった。勝負は時の運と言う。しかし、運を呼び込むのは「運」ではなく、それもまた「プロの技」の一つだと痛感させられた。
2006/ 2/26
プロの技 その2
小説家はストーリーが突然天から降ってくるという。スポーツ実況アナウンサーの名調子、名セリフも「とっさに湧いてくる」と、かつて数々の競馬の名実況を残した杉本清さんが本で書いている。ボクが実際に聴いた実況で印象にあるのは、何と言ってもサクラスターオーの菊花賞。「サクラだサクラだ、菊の季節にサクラ、菊の季節にサクラが咲いた、菊の季節にサクラが満カ〜イっ!」。サクラスターオーは4月の皐月賞に勝ってから故障し、6ヶ月の長い休養を経てぶっつけ本番のレース。圧倒的な人気馬ならフレーズを事前に用意できたかもしれないが、まさかの復活勝利。それを讃えるにふさわしい「とっさの名セリフ」となった。「菊の季節にサクラが○○」を3回繰り返すところがミソ。直線で先頭に立って、ゴールするまでを「奇跡の復活」のプロセスに重ね合わせたところに杉本節の真骨頂がある。今回のトリノ五輪では何と言っても「トリノオリンピックの女神は荒川静香にキスをしました。日本の荒川静香、金メダル!」落ち着いた口調ながらグッと来た。実況担当NHKの刈屋富士雄アナは「金メダル男」の異名をとる。アテネの体操団体での「伸身の新月面が描く放物線は栄光への架け橋だ!」も彼の名実況。NHKのテーマ曲「栄光への架け橋」を盛り込んだのがミソ。しかし、これは事前に用意していたフレーズだとか。富田選手の演技内容の良さから、もしも着地に失敗しても「金メダル確実」と判断しての一か八かのセリフ。しかし、着地にピタリと決まるタイミングはまさに「プロの技」。
トリノオリンピックが終わった。
2006/ 2/27
ようこそ!
昨年3月、突然の大雪の日に結婚式を挙げたチョリさん夫妻。この日記でも紹介したオシドリ夫婦に、今年1月、めでたく男児が誕生した。「琢磨くん」。切磋琢磨、佐藤琢磨、、、どちらにしても「抜きんでる」ことに違いない。彼に会いにとか、お祝いにとか、言いながら、大人たちは酒を酌み交わし肉を食らい、オネムな彼の横で大騒ぎ。一様に「オレもこんな時があったんだな、、、」と口々に宣い、それぞれ不可解な感慨にふけった。思えばボクも、毎日の酒盛りの中、部屋の隅っこで段ボール箱に入れられ、酔っぱらったおっちゃん達に「おぇ、この子大丈夫なんけぇ?大人しいなー。アタマちょっとおかしいんちゃう」などと勝手なこと言われ続けた(らしい)が、心配に及ばずこんなになってしまった。今でも、その頃のボクを知っているおっちゃんたちに「段ボールに入ってたのになぁ」と言われると、ポリポリとアタマを掻いて、中途半端なリアクションしか出来ないのが辛いところ。
琢磨クン、ようこそ!おっちゃん達は君の知らない頃から君を知っている。
2006/ 2/28
内田光子
内田光子。世界に誇る日本のピアニストと言えば彼女だろう。まあ、日本人ではあるがお父さんが外交官だったこともあり、幼い頃ウィーンに住み本格的な音楽教育を受けた人。今でも日本語より英語や独語で「ものを考える」という、半日本人?。彼女がついにベートーヴェンのピアノソナタを録音し始めた。録音にはとても慎重で、長年モーツァルトに取り組んでいた彼女だが、ベートーヴェンに関しては、最近コンチェルトを全曲録音して、満を持してソナタを弾く。第1弾は作品109〜111、最後の3つのソナタ。これは個人的に一番好きな3曲。孤島に一枚だけCDを持っていける、とするならこの3曲のCDを選ぶかもしれない。かつては、ポリーニの名演を繰り返し繰り返し聴いていたが、この内田光子も素晴らしい。大胆にして緻密、繊細な描写ながら大きな造形を生み出す。57歳。ジャケットにそのナリを現すのも「ぎりぎり」だが、ようやくベートーヴェンのピアノソナタに着手するその成果は、我々にとっても財産になるのは間違いない。CDの曲解説を彼女自身が書いているのも興味深いが、英文で書かれたものを誰かが和訳していた。やはり半日本人か、、、。
2006/ 3/ 1
弥生、3月
その後の「みー」。最近、ボクが夜中に帰ると、この状態でカミさんの隣に布団かぶって並んで寝ている。時には、カミさんを壁側に追いやって、ど真ん中を占領することも珍しくない。ボク達の間では、既にネコなのか人間なのか中途半端な存在だが、タマが無くなって名実ともに中途半端な身の上となった。
亭主が戻ると、女房の隣には別のモノが寝ている。実に由々しき光景だ(笑)。

今年ももう3月、、、。


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